54 在留資格「家族滞在」とは?対象となる家族・就労制限・申請のポイントを行政書士が解説

在留資格**「家族滞在」とは、日本で一定の在留資格を持って生活する外国人の扶養を受ける配偶者または子**が、日本で家族として生活するための在留資格です。

外国人材が日本で長く働くためには、本人の仕事だけでなく、家族が安心して暮らせる環境も重要です。今回は「家族滞在」の基本を解説します。

誰の家族でも取得できるわけではない

「家族滞在」の対象となる扶養者には、**「技術・人文知識・国際業務」「経営・管理」「介護」「高度専門職」「特定技能2号」「留学」**など、一定の在留資格を持つ人が含まれます。

一方、**「特定技能1号」や「技能実習」**では、原則として「家族滞在」による家族帯同は認められていません。

また、「家族」といっても、原則として対象になるのは配偶者と子です。親や兄弟姉妹まで家族滞在で呼び寄せられる制度ではありません。

「扶養」が重要なポイント

家族滞在では、扶養者との身分関係だけでなく、日本で家族を扶養できる生活基盤があるかも重要です。

申請では、結婚証明書や出生証明書など家族関係を証明する資料に加え、扶養者の在留カード、在職証明書、住民税の課税証明書・納税証明書など、職業や収入を証明する資料が求められます。

したがって、「年収がいくらなら必ず許可される」という単純な問題ではなく、家族構成や収入、生活状況などを踏まえて考える必要があります。

家族滞在で働くことはできる?

「家族滞在」は、家族としての日常生活を目的とする在留資格です。そのため、そのままでは原則として就労できません。

ただし、資格外活動許可を受ければ、包括許可の場合、原則として週28時間以内でアルバイトなどをすることができます。

一方、フルタイムで働く場合などには、仕事内容や本人の学歴・職歴等に応じて「技術・人文知識・国際業務」など、就労可能な在留資格への変更を検討することになります。

子どもの成長まで考える

家族滞在で来日した子どもが、日本の小学校、中学校、高校で学び、その後日本で就職するケースもあります。

一定の要件を満たす場合には、高校卒業後の就職に際して**「定住者」や「特定活動」への変更**が認められる取扱いもあります。

私は教育の仕事にも携わってきましたが、子どもにとって数年間という時間は非常に大きなものです。

親の仕事に伴って来日した子どもでも、日本語を学び、友人ができ、進学すれば、日本が生活の基盤になっていきます。

だからこそ私は、家族滞在を単なる「家族を呼び寄せる手続」と考えるのではなく、家族全体が日本でどのような将来を築いていくのかを考える入口として捉えることが大切だと思っています。

まとめ

「家族滞在」は、一定の在留資格を持つ外国人の扶養を受ける配偶者・子のための在留資格です。

重要なのは、扶養者の在留資格、家族関係、扶養能力、そして家族本人の今後の生活や就労です。

外国人本人だけを見るのではなく、家族全体の生活設計まで考えることが、長期的な日本での生活につながります。

行政書士の現場でよくある相談

「家族滞在で来日した妻は、日本で働くことができますか?」

家族滞在のままでは原則として就労できません。

ただし、資格外活動許可を受ければ、包括許可の場合は原則として週28時間以内で働くことができます。

フルタイムでの就職を希望する場合には、本人の学歴・職歴や仕事内容などを確認し、就労可能な在留資格への変更を検討します。

企業担当者へのワンポイントアドバイス

「家族滞在」の外国人を採用する場合は、在留カードの資格外活動許可欄を必ず確認してください。

また、外国人社員本人についても、家族と安心して日本で生活できることは長期定着の重要な要素です。

私は、外国人雇用を単に「本人を採用すること」で終わらせず、配偶者の生活、子どもの教育、医療などを含めた家族の生活基盤まで考えることが、人材の定着につながると考えています。

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