52 離婚した場合の在留資格はどうなる?配偶者ビザからの変更・届出を行政書士が解説

日本人や永住者と結婚し、**「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」**で日本に暮らしている外国人が離婚した場合、在留資格はどうなるのでしょうか。
「離婚したらすぐ帰国しなければならない」と思われることがありますが、離婚と同時に在留資格が自動的に消滅するわけではありません。
ただし、そのまま何もしなくてよいわけでもありません。
離婚したら14日以内に届出
配偶者として「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」で在留している外国人が離婚した場合、原則として**離婚した日から14日以内に「配偶者に関する届出」**を出入国在留管理庁へ行う必要があります。
この届出と同時に在留資格を変更しなければならないわけではありません。
しかし、正当な理由なく配偶者としての活動を継続して6か月以上行っていない場合、在留資格取消しの対象となる可能性があります。
そのため、離婚後も日本で生活したい場合は、できるだけ早く今後の在留資格を検討することが重要です。
「定住者」へ変更できる場合も
離婚後の選択肢として検討されることがあるのが**「定住者」への在留資格変更**です。
ただし、「日本人と結婚していたから」「日本に長く住んでいるから」という理由だけで当然に認められるものではありません。
出入国在留管理庁が公表している事例を見ると、婚姻期間、日本での在留期間、日本人の子どもの有無・監護養育、日本での生活基盤や収入、離婚に至った事情、日本社会への定着状況など、個別の事情が考慮されています。
実際、日本人の子どもを養育しているケースや、一定期間の婚姻・日本での生活実績があるケースなどで変更が認められた事例があります。
一方、在留期間や婚姻期間が短く、日本への定着性などから在留を認める事情がないとして、変更が認められなかった事例も公表されています。
就労資格へ変更する選択肢
本人の学歴、職歴、仕事内容などが要件を満たせば、**「技術・人文知識・国際業務」**などの就労資格への変更を検討できる場合もあります。
つまり、離婚後の在留資格は一律ではありません。
これまでの婚姻生活だけでなく、仕事、子ども、在留歴、生活基盤、今後日本で何をしていくのかを整理して、本人に合った在留資格を検討する必要があります。
私が大切だと考えること
私自身も国際結婚の当事者です。
だからこそ、離婚という出来事を単に「配偶者ビザの資格を失う問題」としてだけ捉えるべきではないと考えています。
長く日本で暮らしていれば、仕事があり、友人がいて、子どもが学校に通い、地域とのつながりができていることもあります。
離婚は人生の大きな転機です。そのような時こそ行政書士には、手続だけを見るのではなく、「これから日本でどのように生活を立て直していくのか」まで一緒に整理する視点が必要だと私は考えています。
まとめ
「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」で在留する人が離婚した場合、まず重要なのが14日以内の配偶者に関する届出です。
そのうえで、「定住者」や就労資格など、今後の状況に適した在留資格への変更を検討します。
離婚後の在留資格は個別事情によって大きく異なるため、離婚してから長期間放置せず、できるだけ早く今後の在留資格を確認することが大切です。
行政書士の現場でよくある相談
「日本人と離婚しました。今の在留期限までは日本にいられますか?」
離婚しただけで、その日に在留資格が自動的に消滅するわけではありません。また、離婚の届出と同時に在留資格変更申請をすることが義務付けられているわけでもありません。
しかし、正当な理由なく配偶者としての活動を6か月以上行っていない場合は在留資格取消しの対象となる可能性があります。
「在留期限がまだ残っているから大丈夫」と考えず、14日以内の届出を行い、早期に次の在留資格を検討することをおすすめします。
企業担当者へのワンポイントアドバイス
「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」は就労する職種に原則として制限がありませんが、離婚によってその在留資格の基礎となる身分関係が変わります。
外国人社員から離婚の相談を受けた場合、企業側だけで在留可否を判断するのではなく、本人に早めの在留資格確認を促すことが大切です。
外国人社員の在留資格管理は、単なる期限管理だけではありません。結婚・離婚・転職など、生活上の変化が在留資格に影響することを理解しておくことも、外国人雇用のコンプライアンスにつながります。
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