51 国際結婚と在留資格|結婚すれば「配偶者ビザ」が取れる?行政書士が解説

外国人と日本人が結婚する「国際結婚」。結婚後、日本で一緒に生活するためには、婚姻手続だけでなく在留資格についても考える必要があります。
よく「外国人と結婚すれば配偶者ビザが取れる」と思われていますが、結婚しただけで自動的に在留資格が認められるわけではありません。
また、結婚相手が日本人なのか、永住者なのか、就労資格で日本に滞在する外国人なのかによって、検討する在留資格も異なります。
日本人と結婚した場合
外国人が日本人と結婚し、日本で夫婦として生活する場合、代表的な在留資格が**「日本人の配偶者等」**です。
この在留資格は、就労する職種に原則として制限がありません。
ただし、法律上婚姻が成立しただけで、自動的に「日本人の配偶者等」が認められるわけではありません。
申請では、日本人配偶者の戸籍謄本、外国の機関が発行した結婚証明書、日本での滞在費用を証明する資料などに加え、質問書や夫婦間の交流を確認できる資料なども求められます。
つまり、婚姻の成立だけでなく、夫婦として共同生活を営む実態があるのかを適切に説明することが重要です。
結婚相手によって在留資格は異なる
国際結婚だからといって、すべて同じ「配偶者ビザ」になるわけではありません。
日本人と結婚した場合は「日本人の配偶者等」、永住者・特別永住者と結婚した場合は**「永住者の配偶者等」**が代表的です。
一方、「技術・人文知識・国際業務」「経営・管理」「介護」など一定の在留資格で日本に暮らす外国人の配偶者については、**「家族滞在」**を検討する場合があります。
「家族滞在」は就労を目的とする在留資格ではないため、働く場合には原則として資格外活動許可が必要です。包括的な許可の場合は、原則として週28時間以内という制限があります。
国際結婚の当事者として
私自身、ブラジルの新聞社で研修していた時に知り合った日系ブラジル人3世と国際結婚をしています。
また、ブラジルでも生活し、現地の日系社会とも接してきました。
その経験から感じるのは、「国際結婚」という言葉だけでは表せないほど、一つひとつの家族に異なる背景があるということです。
日本にルーツを持つ日系人であっても、外国で生まれ育てば、その国の言葉や文化、生活習慣の中で人生を築いています。
国際結婚では、単に相手の国の制度や文化を「知る」だけではなく、自分にとっての常識が、相手にとっても常識とは限らないと理解することが大切だと、私自身の経験から感じています。
これは行政書士として外国人の在留資格を扱う際にも同じです。
申請書類の向こうには、一人の外国人がいて、その人の配偶者、そして家族の生活があります。
だからこそ私は、国際結婚に関する在留資格の相談では、単に許可を取得することだけでなく、その家族が日本でどのような生活を築いていきたいのかという視点も大切にしています。
まとめ
国際結婚をしたからといって、自動的に特定の在留資格が認められるわけではありません。
日本人との結婚なら「日本人の配偶者等」、永住者等との結婚なら「永住者の配偶者等」、一定の在留資格を持つ外国人の扶養を受ける配偶者なら「家族滞在」など、それぞれの状況に応じて検討します。
そして在留資格の取得はゴールではありません。
仕事、住居、医療、子どもの教育、言葉や文化の違いを含め、家族として日本で生活を築いていくことが本当のスタートだと、私は考えています。
行政書士の現場でよくある相談
「日本人と結婚すれば、そのまま日本に住めますか?」
婚姻手続と在留資格の手続は別です。
法律上婚姻が成立していても、日本で中長期的に生活するためには、現在の在留状況などに応じて「日本人の配偶者等」への在留資格変更許可申請や在留資格認定証明書交付申請などを検討する必要があります。
企業担当者へのワンポイントアドバイス
外国人社員やその配偶者を採用する場合、「配偶者だから自由に働ける」と判断しないよう注意してください。
「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」は就労する職種に原則として制限がありませんが、「家族滞在」の場合は原則として資格外活動許可が必要です。
採用時には在留カードを確認し、在留資格と就労制限の有無を確認することが外国人雇用の基本です。
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