24 在留資格「技能」とは?対象となる仕事や取得要件を行政書士がわかりやすく解説

在留資格「技能」とは、外国人が日本で**「産業上の特殊な分野に属する熟練した技能」を必要とする仕事**に従事するための在留資格です。

代表的なのが、外国料理の調理師です。そのほか、スポーツ指導者、航空機の操縦者(パイロット)、貴金属等の加工職人なども対象となります。

「技能」という名称から、技術を持った外国人なら幅広く対象になるように思えますが、そうではありません。

ポイントは、単に仕事の経験があることではなく、一定の分野における熟練した技能を持っていることです。

詳しい制度は、出入国在留管理庁「在留資格『技能』」で確認できます。

「技能」で働けるのはどんな人?

代表例として分かりやすいのが、外国料理の調理師です。

例えば、本場のインド料理、中国料理、フランス料理など、その国や地域において考案され、日本で特殊なものについて調理や食品製造を行う場合などが対象となります。

原則として、こうした調理師には10年以上の実務経験が求められます。この期間には、外国の教育機関で料理や食品製造について学んだ期間を含められる場合があります。

ただし、「技能」の対象業務によって必要な経験年数や条件は異なります。

例えばパイロットについては飛行経歴、スポーツ指導者については指導経験など、その仕事に応じた要件があります。

つまり、「10年」という数字だけを覚えるのではなく、どの技能で申請するのかを最初に確認することが大切です。

「技能」と「特定技能」は違う

特に注意したいのが、出入国在留管理庁「在留資格『特定技能』」との違いです。

名前は似ていますが、制度は別物です。

「技能」は、外国料理の調理師やスポーツ指導者など、産業上の特殊な分野で熟練した技能を生かして働くための在留資格です。

一方、「特定技能」は、人材確保が困難な特定産業分野で外国人材を受け入れるための制度です。

例えば飲食店だからといって、外国人をすべて「技能」で雇用できるわけではありません。どのような料理を作るのか、どのような仕事を担当するのかによって、検討すべき在留資格は変わります。

「経験をどう証明するか」が重要

私は、在留資格「技能」では、本人が「10年以上働いていました」と説明するだけではなく、その経験を客観的な資料でどのように証明するかが重要だと考えています。

実際に出入国在留管理庁も、対象となる業務について、所属していた機関の在職証明書など、技能を必要とする業務に従事した期間を証明する資料を求めています。

海外での職歴の場合、何年も前に勤務していた店や会社から証明書を取り寄せなければならないこともあります。

だからこそ、採用を決めてから書類を集め始めるのではなく、採用前に「要件を満たしているか」「証明できる資料があるか」を確認することが大切です。

私が大切だと考える「働いた後」の視点

外国人料理人などを海外から採用する場合、在留資格が許可されれば終わりではありません。

来日後には、住居、社会保険、銀行口座、医療、日本語、職場でのコミュニケーションなど、日本での生活が始まります。

私は医療機関で長年勤務し、外国人対応にも携わってきました。その経験から、外国人材が能力を発揮するためには、「在留資格」と「仕事」と「生活」を一体として考えることが重要だと感じています。

優秀な料理人や職人を海外から採用しても、生活面で困り、日本で長く働けなければ、本人にとっても企業にとっても大きな損失です。

行政書士として在留資格を支援するだけでなく、その後の定着まで視野に入れることを大切にしたいと考えています。

まとめ

在留資格「技能」は、外国料理の調理師、スポーツ指導者、パイロット、貴金属等の加工職人など、産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を持つ外国人を対象とする在留資格です。

重要なのは、職種名だけで判断せず、仕事内容・実務経験・その経験を証明する資料を確認することです。

また、「技能」「特定技能」「技能実習」は名称が似ていますが、それぞれ目的も対象者も異なる制度です。

外国人を採用するときは、まず「どの在留資格に当てはまる仕事なのか」を整理することから始めましょう。

行政書士の現場でよくある相談

「外国で10年以上料理人をしていれば、日本の飲食店で『技能』として働けますか?」

10年以上の経験が一つの重要な要件となる場合がありますが、それだけで判断することはできません。

どのような料理を作ってきたのか、日本でどのような料理を担当するのか、そして過去の実務経験を在職証明書などで証明できるかを確認する必要があります。

「10年働いた」という事実だけでなく、「どこで、いつからいつまで、どのような仕事をしていたのか」まで確認することが重要です。

調理師としての申請については、出入国在留管理庁「技能・調理師として活動する場合」で必要書類などを確認できます。

企業担当者へのワンポイントアドバイス

外国人の料理人や専門的な職人を採用するときは、内定を出す前に**「本人の経験年数」と「それを証明できる資料」**を確認してください。

特に海外の在職証明書は、後から取得するのに時間がかかる場合があります。

また、「飲食店で働く外国人だから技能」「経験豊富だから技能」と決めつけず、仕事内容によっては「特定技能」など別の在留資格を検討する必要があります。

採用予定の仕事内容と本人の経歴を整理し、どの在留資格が適切なのか分からない場合には、早い段階で行政書士などの専門家に確認することをおすすめします。

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