22 高度専門職とは?ポイント制・永住までの期間・メリットを行政書士がわかりやすく解説

「高度専門職」とは、高度な専門的能力を持つ外国人材の受入れを促進するために設けられた在留資格です。
研究者、大学教授、高度な専門知識を持つ会社員、企業経営者などが対象となり、学歴、職歴、年収などをポイント化する「高度人材ポイント制」が大きな特徴です。
一定の条件を満たすと、永住許可に必要な在留期間が短縮されるなど、一般的な就労資格にはない優遇措置を受けることができます。
高度専門職は3つの活動に分かれる
「高度専門職1号」は、活動内容によって3種類に分かれます。
高度専門職1号イ(高度学術研究活動)
大学教授や研究者など、高度な研究・教育活動を行う外国人が主な対象です。
高度専門職1号ロ(高度専門・技術活動)
ITエンジニアや専門職など、自然科学・人文科学の専門的な知識や技術を必要とする仕事が対象です。「技術・人文知識・国際業務」とも関係の深い分野です。
高度専門職1号ハ(高度経営・管理活動)
企業の経営者や管理者などが対象です。
「70点」が一つの基準
高度人材ポイント制では、学歴、職歴、年収などの項目ごとにポイントを計算します。
原則として、その合計が70点以上になることが「高度外国人材」と認められるための重要な基準です。
そのため、「自分は研究者ではないから高度専門職には関係ない」と考えている外国人でも、実際にポイントを計算すると70点以上になる場合があります。
高度専門職にはどんなメリットがある?
高度専門職1号には、さまざまな「優遇措置」があります。
代表的なものとして、複合的な在留活動が認められること、在留期間「5年」が付与されること、永住許可要件の緩和、配偶者の就労に関する優遇、一定の条件のもとでの親や家事使用人の帯同、入国・在留手続の優先処理などがあります。
特に注目されるのが、永住許可です。
通常の永住許可では原則として引き続き10年以上日本に在留していることが求められますが、高度外国人材については特例があります。
「永住許可に関するガイドライン」では、一定の要件を満たしたうえで、70点以上を継続している場合は3年、80点以上を継続している場合は1年という在留歴の特例が設けられています。
ただし、80点あれば自動的に1年で永住できるという意味ではありません。素行や公的義務の履行など、永住許可の他の要件についても審査されます。
「高度専門職2号」とは?
「高度専門職2号」は、高度専門職1号などで一定期間活動した外国人を対象とする在留資格です。
原則として、高度専門職1号などで3年以上活動していること、ポイントが70点以上であることなどの要件があります。
高度専門職2号になると、在留期間が無期限となり、活動できる範囲も大きく広がります。
ただし、「在留期間が無期限」と「永住者」は同じではありません。高度専門職2号はあくまで就労系の在留資格であり、「永住者」とは別の制度です。
私が大切だと考える「家族と生活」の視点
高度専門職というと、年収、学歴、ポイントばかりに目が向きがちですが、私は**「その外国人と家族が日本でどのような生活を築いていくのか」**という視点も重要だと考えています。
外国人材が日本で長期間活躍するためには、仕事だけでなく、配偶者の就労、子どもの教育、住居、医療など、家族全体の生活環境が重要です。
私は医療機関で長年勤務し、外国人対応にも携わってきました。その経験からも、優秀な外国人材に「日本で長く働きたい」と思ってもらうためには、在留資格だけでなく、医療や生活まで安心できる環境づくりが欠かせないと感じています。
行政書士として在留資格を支援すると同時に、外国人患者受入れ医療コーディネーターとして、「仕事・在留資格・家族・安心(=医療)」を一つにつなげて考えることを大切にしたいと思っています。
まとめ
高度専門職は、高度な専門能力を持つ外国人を対象として、ポイント制による認定とさまざまな優遇措置を設けた在留資格です。
重要なキーワードは、**「70点」「80点」「高度専門職1号」「高度専門職2号」「永住許可の特例」**です。
特に、現在「技術・人文知識・国際業務」などで働いている外国人でも、学歴・職歴・年収などを計算すると、高度外国人材の基準を満たしている可能性があります。
まずは出入国在留管理庁の「高度人材ポイント制Q&A」などを利用して、自分が対象となる可能性を確認してみるとよいでしょう。
行政書士の現場でよくある相談
「高度専門職でなければ、70点や80点を持っていても永住の特例は使えませんか?」
一定の要件を満たせば、現在の在留資格が「高度専門職」でなくても、高度人材ポイントを基準とした永住許可の特例を利用できる場合があります。
出入国在留管理庁も、永住許可申請時に80点以上あり、1年前にも80点以上あった場合や、70点以上あり、3年前にも70点以上あった場合などについて、高度専門職以外の在留資格で在留している方が対象となり得ることを案内しています。
詳しい必要書類などは「高度人材外国人の永住許可申請」で確認できます。
企業担当者へのワンポイントアドバイス
高度専門職は、外国人本人だけにメリットがある制度ではありません。
優秀な外国人社員が高度専門職の対象になれば、長期的に日本で働き、家族とともに生活基盤を築きやすくなります。それは企業にとっても、優秀な外国人材の定着につながります。
特に、高学歴・高年収・専門職などに該当する外国人社員がいる場合は、一度ポイントを確認してみることをおすすめします。
「技人国の更新ができているからそれで十分」と考えるのではなく、その社員にとってより適切な在留資格や、将来の永住まで含めて考えることが、外国人材の長期的なキャリア支援につながります。
分からない場合は、行政書士などの専門家へ相談することをおすすめします。
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