16 みなし再入国許可とは?1年以内の一時帰国・海外出張で注意すべきポイントを行政書士が解説

みなし再入国許可とは、日本に在留する外国人が一時的に出国し、原則として出国の日から1年以内に日本へ戻る場合に、事前の再入国許可申請を不要とする制度です。

有効な旅券と在留カードを所持する中長期在留者などが対象となり、母国への一時帰国、海外出張、旅行などで広く利用されています。通常の再入国許可をあらかじめ出入国在留管理局で取得しなくてもよいため、とても便利な制度です。

「1年以内」なら必ず戻れるわけではない

みなし再入国許可で最も注意したいのが、期限です。

原則として出国の日から1年以内に再入国する必要がありますが、現在の在留期間がそれより早く満了する場合は、在留期間の満了日までに日本へ戻らなければなりません。

例えば、在留期限が6か月後の外国人が出国した場合、「みなし再入国だから1年間海外にいられる」ということにはなりません。再入国できる期限は、原則として6か月後の在留期限までとなります。

空港では「再入国する意思」を示す

みなし再入国許可は、自動的に適用されるものではありません。

出国時に、有効な旅券と在留カードを提示し、入国審査官に対して、みなし再入国許可によって出国する意思を示す必要があります。具体的には、再入国用EDカードで再入国の意思を示して出国確認を受けます。

空港での手続きを忘れると、それまでの在留資格や在留期間を失う可能性があるため、注意が必要です。

通常の再入国許可との違い

通常の再入国許可は、出国前に申請を行い、現在の在留期間の範囲内で最長5年間の許可を受ける制度です。

一方、みなし再入国許可は事前申請が不要ですが、原則として1年以内という短い期間に限られます。

そのため、1年以上の海外赴任、長期療養、家族の介護などで長期間日本を離れる予定がある場合には、通常の再入国許可を検討する必要があります。

特別永住者は「2年以内」

特別永住者についても、みなし再入国許可制度を利用できます。

有効な旅券と特別永住者証明書を所持している場合、原則として出国の日から2年以内に再入国するのであれば、事前の再入国許可は不要です。一般の中長期在留者とは期間が異なるため、混同しないよう注意しましょう。

私が大切だと考えること

私は、外国人の在留手続きを「許可を取ること」だけで考えるべきではないと思っています。

例えば、母国にいる家族が病気になり、急きょ帰国する場合があります。本人は家族のことで頭がいっぱいになり、在留期限や再入国手続きまで十分に確認できないこともあるでしょう。

医療機関で長年勤務してきた経験からも、病気や介護、出産などは予定どおりに進むとは限らないと感じています。

「1か月で戻る予定だったが、家族の療養が長引いた」ということもあり得ます。

そのため、出国前には、帰国予定日だけでなく、在留期限・旅券の有効期限・海外滞在が延びる可能性まで確認しておくことが重要です。

行政書士や企業、支援機関には、外国人本人へ制度を説明するだけでなく、「予定が変わった場合にどうするか」まで一緒に考える視点が必要だと考えています。

まとめ

みなし再入国許可とは、有効な旅券と在留カードを持つ外国人が、原則として出国の日から1年以内に日本へ戻る場合、事前の再入国許可を不要とする制度です。

ただし、在留期限が1年より早く到来する場合は、その期限までに戻る必要があります。

海外へ出発する前には、在留期限、旅券、帰国予定日、空港での再入国意思表示を必ず確認しましょう。


行政書士の現場でよくある相談

「みなし再入国許可で出国しました。海外で予定が変わったので、1年を超えて滞在できますか?」

みなし再入国許可の有効期間を海外で延長することはできません。

予定より海外滞在が長くなる可能性がある場合には、出国前に通常の再入国許可を取得することを検討する必要があります。

また、1年以内であっても、現在の在留期限が先に到来する場合は、その在留期限までに再入国しなければなりません。


企業担当者へのワンポイントアドバイス

外国人従業員が一時帰国や海外出張をする際は、「1年以内だから大丈夫」とだけ説明しないようにしましょう。

確認すべきなのは、出国日、日本への再入国予定日、在留期限、旅券の有効期限です。

特に、母国での家族の介護、治療、出産などを理由とする帰国では、予定より滞在期間が延びることがあります。

企業や登録支援機関が出国前に一緒に期限を確認し、「帰国が遅れそうな場合は早めに相談してください」と伝えておくだけでも、大きなトラブルの予防になります。

分からない点がある場合は、行政書士等の専門家に確認することをおすすめします。

⇩

「グロリア国際行政書士事務所のホームページ」