15 再入国許可とは?一時帰国・海外出張で外国人が注意すべきポイントを行政書士が解説

日本で生活している外国人が、母国への一時帰国や海外出張、旅行などで日本を離れることがあります。その際に重要になるのが「再入国許可」です。
再入国許可とは、日本に在留する外国人が一時的に出国し、再び日本へ戻る場合に、入国・上陸手続きを簡略化するための制度です。
再入国許可を受けて出国し、有効期間内に日本へ戻れば、それまで持っていた在留資格と在留期間が継続しているものとして扱われます。
反対に、再入国許可または「みなし再入国許可」を利用せずに出国すると、それまでの在留資格と在留期間は原則として消滅します。再び日本で生活するためには、改めて査証(ビザ)を取得するなど、新規入国の手続きが必要になります。
再入国許可には「一回」と「数次」がある
通常の再入国許可には、「一回限り」と「数次」の2種類があります。
一回限りの再入国許可は、その名のとおり1回の出入国に使用します。一方、数次再入国許可であれば、有効期間内であれば何度でも出入国できます。
海外出張が多い外国人や、仕事の都合で頻繁に母国と日本を往復する方などは、数次再入国許可を検討することになります。
再入国許可の有効期間は、現在持っている在留期間の範囲内で、最長5年間です。特別永住者については最長6年間となります。
1年以内なら「みなし再入国許可」も
現在は、多くの外国人について「みなし再入国許可」という制度があります。
有効な旅券を持ち、一定の要件を満たす外国人が、出国後1年以内に日本へ戻る場合には、原則として事前に通常の再入国許可を取得する必要はありません。
出国時に、再入国する意思を示して手続きを行います。
ただし、在留期限が出国後1年より前に到来する場合には、再入国できるのは在留期限までです。「1年間は必ず日本へ戻れる」という意味ではありません。
この「みなし再入国許可」については、次回の記事で詳しく解説します。
海外へ出る前に在留期限を確認する
私が特に重要だと考えているのが、航空券を予約する前の在留期限確認です。
例えば、在留期限まであと数か月しかない状態で長期間母国へ帰国すると、海外滞在中に在留期限が到来する可能性があります。
再入国許可を持っているからといって、現在の在留期限を超えて当然に日本へ戻れるわけではありません。
帰国予定日だけでなく、在留カードの在留期間満了日、旅券の有効期限、再入国許可の有効期限をセットで確認することが大切です。
私が大切だと考える「生活まで見る」視点
外国人の出国理由は、旅行だけではありません。
母国にいる家族の病気や介護、本人の治療、出産、冠婚葬祭など、急に帰国しなければならないこともあります。
私は医療機関で長年勤務し、外国人の対応にも携わってきました。その経験から、在留手続きを単なる書類の問題として考えるのではなく、その方の仕事、家族、医療、生活全体を見ながら支援することが重要だと感じています。
例えば、外国人従業員が「家族が病気なので急いで帰国したい」と申し出たとき、企業側も休暇の手続きだけで終わらせず、在留期限や再入国の手続きについて一言確認するだけで、大きなトラブルを防げる場合があります。
行政書士としても、「日本から出られるか」だけでなく、「予定どおり日本へ戻り、その後も安心して生活・就労を続けられるか」まで考えることが大切だと思っています。
まとめ
再入国許可とは、日本に在留する外国人が一時的に出国し、再び日本へ戻るための重要な制度です。
通常の再入国許可には一回限りと数次があり、有効期間は現在の在留期間の範囲内で最長5年間です。また、一定の条件を満たし1年以内に再入国する場合には、「みなし再入国許可」を利用できるケースがあります。
海外へ出発する際は、旅券・在留カード・在留期限・再入国予定日を必ず確認しましょう。
行政書士の現場でよくある相談
「再入国許可を取っているので、在留期限を過ぎても日本へ戻れますか?」
原則として、そうではありません。
再入国許可の有効期間は、現在認められている在留期間を超えることはできません。海外滞在中に在留期限が到来する予定の場合は、出国前に在留期間更新の必要性などを確認しておくことが重要です。
また、在留期間更新許可申請中や在留資格変更許可申請中でも、再入国許可またはみなし再入国許可による出国は可能とされていますが、審査結果の受取りなども含め、出国前に予定を慎重に確認することをおすすめします。
企業担当者へのワンポイントアドバイス
外国人従業員から一時帰国や海外出張の申し出があった場合は、会社の休暇手続きだけでなく、在留カードの在留期限と日本への再入国予定日も確認するよう案内しましょう。
特に、在留期限が近い従業員が長期間出国する場合には注意が必要です。
外国人雇用では、「入社時」「在留期間更新時」だけでなく、「一時帰国・海外出張時」も在留管理の重要なポイントになります。
本人任せにせず、企業・支援機関が早めに声をかけることで、外国人従業員が安心して母国へ帰り、再び日本で働ける環境づくりにつながります。分からないことがあれば、行政書士等の専門家に尋ねることをおすすめします。
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