14 マイナンバーと外国人|特定在留カード・在留カードとの違い・企業の注意点を解説

マイナンバーは、日本人だけの制度ではありません。日本国内に住民票を持つ外国人にも、原則として12桁のマイナンバーが付番されます。

マイナンバーは、社会保障、税、災害対策など、法律や条例で定められた行政手続きに使用される番号です。国籍ではなく、日本に住民票があるかどうかが基本的な基準となります。

さらに、2026年6月14日からは、在留カードとマイナンバーカードの機能を一枚にまとめた「特定在留カード」の運用も始まりました。外国人本人だけでなく、受入企業や支援機関も、新しいカード制度を正しく理解しておく必要があります。

外国人にもマイナンバーは付番される

中長期在留者や特別永住者などが市区町村で住民登録をすると、住民票が作成され、マイナンバーが付番されます。

初めて住民票が作成された後、登録住所に「個人番号通知書」などが送付されます。個人番号通知書はマイナンバーを知らせる書類であり、それ自体を一般的な本人確認書類として使用することはできません。

なお、短期滞在者など、住民票が作成されない外国人には、原則としてマイナンバーは付番されません。

マイナンバーとマイナンバーカードは別のもの

マイナンバーは、一人ひとりに付番される12桁の番号です。

一方、マイナンバーカードは、顔写真、氏名、住所、生年月日、マイナンバーなどが記録されたICカードで、本人の申請によって交付されます。

したがって、マイナンバーが付番されたからといって、マイナンバーカードが自動的に発行されるわけではありません。

また、従来の在留カードは、在留資格、在留期間、就労制限などを証明するものです。マイナンバーカードは、行政手続、本人確認、電子申請などに利用するものであり、両者は役割が異なります。

特定在留カードとは

特定在留カードとは、在留カードとマイナンバーカードの両方の機能を一枚にまとめたカードです。

2026年6月14日から運用が始まり、中長期在留者は、一定の在留手続や在留カードに関する届出などと併せて、交付を申請できるようになりました。特別永住者については、同様の仕組みとして「特定特別永住者証明書」が設けられています。

特定在留カードを取得すると、一枚のカードで、在留カードとしての身分・在留情報の証明と、マイナンバーカードとしての本人確認や電子証明書の利用が可能になります。

例えば、従来は在留期間を更新した後、必要に応じて市区町村へ行き、マイナンバーカードの情報を更新する手続が必要でした。特定在留カードの交付を受ける場合には、入管手続とマイナンバーカード機能の情報更新を一体的に行えるため、外国人本人の負担軽減が期待されます。

特定在留カードの取得は義務ではない

特定在留カードの取得は任意です。

従来どおり、在留カードとマイナンバーカードを別々に持つこともできます。また、2026年6月14日より前に交付された在留カードやマイナンバーカードが、制度開始と同時に使えなくなるわけではありません。有効期限までは原則として引き続き使用できます。

「新しい制度が始まったので、全員がすぐに交換しなければならない」というものではありません。

一体化の利便性だけでなく、紛失した場合には在留カード機能とマイナンバーカード機能の双方について手続が必要になる点も理解したうえで、取得を判断することが大切です。

第二世代在留カードにも注意

特定在留カードの開始に併せて、一体化を希望しない方に交付される通常の在留カードも、新しい様式へ切り替わりました。

新しい在留カードでは、従来カードの券面に記載されていた情報の一部がICチップへ移されています。そのため、企業が外国人を採用する際には、カードの表面を見るだけでなく、出入国在留管理庁が提供する読取アプリなどを使った確認が必要になる場面があります。

企業担当者は、従来の在留カード、第二世代在留カード、特定在留カードが併存することを前提に、社内の確認方法を見直す必要があります。

外国人はカードの有効期限に注意

在留期間の定めがある外国人住民の場合、マイナンバーカードの有効期限は、原則として在留期間の満了日までとなります。

在留期間の更新許可を受けても、従来型のマイナンバーカードの有効期限が自動的に延長されるとは限りません。必要に応じて、市区町村窓口でカードの有効期間に関する手続きを行わなければ、カードが失効することがあります。

一方、特定在留カードを選択した場合には、入管での在留手続とマイナンバーカード機能の更新を一体的に行えることが大きな利点です。

私は、在留期間の更新とマイナンバーカードの手続は、外国人本人にとって特に分かりにくい部分だと感じています。入管での手続が終われば、税、保険、住民登録、マイナンバー関係の情報もすべて自動的に更新されると思い込む方は少なくありません。

行政書士や支援機関には、入管手続だけでなく、その後の市区町村手続きや、特定在留カードを選ぶ場合のメリット・注意点まで分かりやすく説明する視点が求められます。

就職するとマイナンバーの提出を求められる

外国人が日本企業に就職すると、給与計算、源泉徴収、社会保険などの手続きのため、勤務先からマイナンバーの提供を求められることがあります。

企業が従業員からマイナンバーの提供を受ける際は、番号確認と本人確認を行う必要があります。

ただし、企業はマイナンバーを自由な目的で収集・利用できるわけではありません。利用目的を明確にし、適切に保管・管理することが求められます。

また、特定在留カードを確認する場合でも、企業がカードの裏面に記載されたマイナンバーを、在留資格確認の目的だけでむやみに取得・コピーしてよいわけではありません。

就労資格の確認と、税・社会保障手続のためのマイナンバー収集は、目的を区別して取り扱う必要があります。

私が大切だと考えること

私は医療機関で長年勤務し、外国人の対応にも携わってきました。その経験から、マイナンバー制度は単なる番号管理ではなく、医療、保険、税、福祉など、日本で生活するための制度につながる基盤だと感じています。

マイナンバーカードは健康保険証としての利用にも関係するため、在留期間の更新後にカードが失効すると、医療機関の受診時に戸惑うことも考えられます。

特定在留カードによって手続の負担が軽減されることは大きな前進ですが、一枚に複数の重要な機能が集約されるため、紛失時の影響や個人情報の取扱いについても丁寧な説明が必要です。

外国人の方に制度を説明する際は、「便利になりました」と伝えるだけでは十分ではありません。どの機能が一体化されるのか、紛失したら何をするのか、企業や医療機関へどこまで提示する必要があるのかを、やさしい日本語や多言語資料で説明することが大切です。

まとめ

マイナンバーは、日本国内に住民票を持つ外国人にも付番される12桁の番号です。

マイナンバー、マイナンバーカード、在留カードは、それぞれ役割が異なりますが、2026年6月14日からは、在留カードとマイナンバーカードの機能を一枚にまとめた特定在留カードの運用が始まりました。

特定在留カードの取得は任意です。利便性、紛失時の手続、在留期間、現在持っているカードの有効期限などを確認したうえで、自分に合った方法を選択しましょう。


行政書士の現場でよくある相談

「特定在留カードが始まったので、今持っている在留カードとマイナンバーカードは交換しなければなりませんか?」

特定在留カードの取得は義務ではありません。

現在持っている在留カードやマイナンバーカードは、有効期限まで原則として使用できます。今後、在留期間更新や在留資格変更などの手続を行う際に、特定在留カードの取得を希望するか検討することができます。

ただし、申請できる時期や手続きの組合せには条件があります。単独でいつでも自由に交換できるとは限らないため、事前に確認しましょう。


企業担当者へのワンポイントアドバイス

今後は、従来の在留カード、第二世代在留カード、特定在留カードが職場で併存します。

採用時には、カードの名称や外観だけで判断せず、在留資格、在留期限、就労制限、資格外活動許可、カードの有効性を適切に確認してください。

また、特定在留カードにはマイナンバーカードとしての機能もあるため、就労資格確認を目的として、必要のないマイナンバーまで取得・保管しないよう注意が必要です。

人事担当者だけで判断せず、社内の確認手順を整備し、不明な場合は行政書士などの専門家に確認することをおすすめします。

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