12 就労制限とは?外国人を採用する企業が在留カードで確認すべきポイント

就労制限とは、外国人が日本で働く際に、在留資格によって認められる仕事の範囲や、働くこと自体の可否が制限される仕組みです。
外国人は、在留カードを持っていれば、どのような仕事でも自由にできるわけではありません。現在の在留資格と、実際に担当する業務が一致していることが重要です。
外国人本人だけでなく、受入企業や支援機関も、採用前に就労制限を正しく確認する必要があります。
在留カードの「就労制限の有無」を確認する
在留カードの表面には、「就労制限の有無」という欄があります。主な記載内容は、次のとおりです。
- 就労不可
- 在留資格に基づく就労活動のみ可
- 指定書により指定された就労活動のみ可
- 就労制限なし
「在留資格に基づく就労活動のみ可」と記載されている場合は、その在留資格で認められた範囲の仕事に限って働くことができます。
例えば、在留資格「技術・人文知識・国際業務」を持つ方は、専門的な知識や技術を必要とする業務が対象です。在留カードが有効であっても、実際の仕事が単純作業を中心とする場合には、在留資格との不一致が問題になる可能性があります。
「就労不可」でも働ける場合がある
「留学」や「家族滞在」などは、本来の活動が就労ではないため、在留カードに「就労不可」と記載されます。
ただし、資格外活動許可を受けていれば、許可された範囲内でアルバイトなどをすることができます。
この場合、在留カードの裏面にある「資格外活動許可欄」を確認します。留学生などに認められる包括的な許可では、原則として週28時間以内であり、風俗営業等に関係する場所で働くことは認められません。
就労制限がない在留資格
「永住者」「定住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」など、身分や地位に基づく在留資格には、原則として職種による就労制限がありません。
在留カードに「就労制限なし」と記載されている場合、会社員、自営業、アルバイトなど、幅広い働き方ができます。
ただし、在留カードの有効期限や本人確認まで不要になるわけではありません。採用時には、カードの原本を確認する必要があります。
私が大切だと考えること
私がこれまで外国人対応に携わってきた経験から、外国人本人が自分の就労範囲を正確に理解していないケースは少なくないと感じています。
「友人も同じ仕事をしている」「会社から大丈夫と言われた」という理由で働き始めても、在留資格上認められるとは限りません。
一方、企業側にも、「在留カードをコピーしたから問題ない」「正社員なら働ける」といった誤解があります。
就労制限の確認は、外国人を取り締まるためのものではありません。外国人本人の在留資格を守り、企業が安心して雇用を継続するための重要な手続きです。
就労制限に違反するとどうなる?
認められていない仕事を行った場合、外国人本人は不法就労と判断され、在留期間更新や在留資格変更に影響する可能性があります。
また、不法就労をさせた企業も、不法就労助長罪の対象となることがあります。外国人が就労できないことを知らなかった場合でも、在留カードを確認していないなどの過失があれば、責任を問われる可能性があります。
まとめ
就労制限とは、外国人が日本で働けるか、また、どのような仕事に従事できるかを在留資格ごとに定める仕組みです。
採用時には、在留カードの在留資格、就労制限の有無、在留期限、裏面の資格外活動許可を確認しましょう。
さらに重要なのは、カードの記載だけでなく、実際に担当してもらう業務が在留資格の範囲に合っているかを具体的に確認することです。
行政書士の現場でよくある相談
「在留カードに『在留資格に基づく就労活動のみ可』とありますが、どの仕事でもできますか?」
どの仕事でもできるという意味ではありません。
現在の在留資格で認められた活動に限って就労できます。例えば、「技術・人文知識・国際業務」であれば、本人の学歴や職歴と関連する専門的な業務であることが求められます。
職種名だけで判断せず、日常的に行う具体的な業務内容を確認することが重要です。
企業担当者へのワンポイントアドバイス
外国人を採用するときは、在留カードのコピーを保管するだけでなく、次の4点を確認してください。
在留資格、就労制限の有無、在留期限、資格外活動許可の有無です。
さらに、求人票や雇用契約書に記載した仕事と、実際に担当させる仕事が一致しているかも確認しましょう。
外国人従業員の配置転換や職務変更を行う場合も、在留資格の範囲内かを事前に確認することが、本人と企業の双方を守ることにつながります。詳しくは、行政書士等の専門家にお尋ねください。
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