28 在留資格「教授」とは?大学教授・研究者・非常勤講師の要件を行政書士が解説

在留資格「教授」とは、外国人が日本の大学などで研究、研究の指導または教育を行うための在留資格です。

名称が「教授」であるため、「大学教授という肩書を持つ外国人だけが対象」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。

大学教授、准教授、講師など、日本の大学やこれに準ずる機関、高等専門学校などで研究や教育に携わる外国人が対象となり得ます。

制度の基本については、出入国在留管理庁「在留資格『教授』」で確認できます。

「教授」でできる活動とは?

入管法上の「教授」は、日本の大学もしくはこれに準ずる機関または高等専門学校において、研究、研究の指導または教育をする活動を対象としています。

例えば、外国人研究者が日本の大学で研究を行いながら学生を指導したり、外国人教員が大学で専門科目を教えたりするケースが考えられます。

ここで大切なのは、肩書よりも**「どの機関で、実際にどのような活動をするのか」**という点です。

「Professor」という肩書があるから自動的に在留資格「教授」になるわけではありません。

「教授」と「研究」は何が違う?

混同しやすい在留資格として「研究」があります。

出入国在留管理庁「在留資格『研究』」は、日本の公私の機関との契約に基づいて研究を行う活動を対象とする在留資格です。ただし、「教授」に該当する活動は除かれます。

例えば、大学で研究・教育活動を行う場合には「教授」が検討される一方、民間企業や研究所などで研究者として働く場合には「研究」が検討されます。

つまり、同じ「研究者」であっても、勤務する機関と活動内容によって在留資格が変わる可能性があるのです。

非常勤講師でも「教授」になる?

「大学の非常勤講師として働く場合も教授ですか?」という疑問もあります。

非常勤だから直ちに「教授」に該当しないというわけではありません。大学などで実際に教育活動を行うのであれば、「教授」に該当する可能性があります。

ただし、非常勤勤務だけで生活する場合などについては、活動内容や収入、勤務形態などを具体的に確認する必要があります。

また、大学ではなく民間の語学学校などで外国語を教える場合には、「教授」ではなく「技術・人文知識・国際業務」など、別の在留資格が問題になることがあります。

「先生だから教授」ではないという点を覚えておくと分かりやすいでしょう。

高度専門職に該当する可能性も

大学教授や研究者の場合、もう一つ確認しておきたいのが「高度専門職」です。

高度外国人材については、学歴、職歴、年収、研究実績などをポイント化する出入国在留管理庁「高度人材ポイント制」があります。

大学教授や研究者は、高い学歴や研究実績を持っていることも多いため、ポイントを計算すると「高度専門職1号イ(高度学術研究活動)」の対象となる可能性があります。

将来の永住まで考えるのであれば、現在の「教授」の更新だけでなく、高度専門職という選択肢がないかを確認する視点も大切です。

私が大切だと考える「研究者の生活」の視点

大学や研究機関が外国人研究者を招聘するとき、どうしても研究実績や在留資格に目が向きます。

しかし、外国人研究者も日本で生活する一人の住民です。

住居、家族、子どもの教育、社会保険、医療など、研究以外にもさまざまな課題があります。

私は教育に携わった経験があり、また長年医療機関で勤務してきました。その経験から、教育・研究の環境と生活環境は切り離せないと考えています。

特に海外から優秀な研究者を招聘するのであれば、「在留資格を取得して来日してもらう」だけではなく、家族を含めて日本で安心して研究に集中できる環境を整えることが、人材の定着につながります。

行政書士として在留資格を支援し、外国人患者受入れ医療コーディネーターとして生活・医療にも目を向ける。この両方の視点を、外国人研究者の受入れでも大切にしたいと思っています。

まとめ

在留資格「教授」は、日本の大学やこれに準ずる機関、高等専門学校などで、研究・研究の指導・教育を行う外国人を対象とする在留資格です。

重要なのは「教授という肩書があるか」ではなく、どこで、どのような研究・教育活動を行うのかです。

また、活動内容によっては「研究」「技術・人文知識・国際業務」、さらに「高度専門職」など別の在留資格を検討する場合があります。

外国人研究者・教員を招聘するときは、肩書だけで判断せず、実際の活動内容から適切な在留資格を確認することが重要です。

行政書士の現場でよくある相談

「大学の非常勤講師として外国人を招く場合も、在留資格は『教授』ですか?」

非常勤であるという理由だけで「教授」の対象外になるわけではありません。

大学などで実際に教育活動を行う場合には「教授」に該当する可能性があります。

ただし、勤務先、授業内容、契約期間、勤務時間、報酬などによって判断する必要があります。

特に複数の大学で非常勤講師をする場合などは、契約関係や活動内容を整理したうえで確認することをおすすめします。

企業・大学担当者へのワンポイントアドバイス

外国人教員・研究者を招聘するときは、**「職名」ではなく「勤務先と実際の活動内容」**を確認してください。

教授、准教授、講師、研究員といった肩書だけで在留資格を決めることはできません。

まず、①どの機関で働くのか、②研究・教育のどちらを行うのか、③契約期間・報酬はどうなっているのか、④他の機関でも活動するのか、を整理しておくと手続きが進めやすくなります。

さらに、研究実績や学歴などによっては「高度専門職」が有利になる可能性もあります。外国人研究者を長期的に受け入れるのであれば、来日時の在留資格だけでなく、将来のキャリアや永住まで見据えて検討することをおすすめします。

⇩

「グロリア国際行政書士事務所のホームページ」