26 在留資格「介護」とは?介護福祉士として日本で働く外国人の在留資格を行政書士が解説

在留資格「介護」とは、介護福祉士の資格を持つ外国人が、日本の介護施設などで介護または介護の指導を行うための在留資格です。

日本では高齢化が進み、介護現場で外国人材が活躍する機会も増えています。ただし、外国人が介護の仕事をするための制度は一つではありません。

現在、外国人介護人材の受入れには、在留資格「介護」のほか、EPA(経済連携協定)、特定技能、技能実習という仕組みがあり、今後は育成就労制度も始まる予定です。

その中でも在留資格「介護」の大きな特徴は、介護福祉士という国家資格を持つ専門職を対象としていることです。

出入国在留管理庁「在留資格『介護』」

「介護」で働くためには介護福祉士資格が必要

在留資格「介護」で認められるのは、日本の公私の機関との契約に基づき、介護福祉士の資格を有する人が介護または介護の指導を行う活動です。また、日本人が同じ仕事をする場合と同等額以上の報酬を受けることも基準の一つです。

つまり、「外国で介護の経験がある」「日本で介護施設に就職が決まった」というだけで、この在留資格を取得できるわけではありません。

介護福祉士の国家資格を取得しているかが非常に重要なポイントになります。

「介護」と「特定技能・介護」は何が違う?

ここは外国人本人だけでなく、介護事業者にも混同されやすいところです。

在留資格「介護」は、介護福祉士の資格を持つ専門職を対象としています。

一方、出入国在留管理庁「在留資格『特定技能』」の「介護分野」では、介護技能評価試験や日本語試験など、所定の要件を満たした外国人が介護業務に従事します。

特定技能1号には在留期間について原則通算5年以内という枠がありますが、介護福祉士資格を取得して在留資格「介護」へ移行すれば、更新を重ねながら日本で長期的なキャリアを築くことが可能になります。

そのため、外国人介護職員のキャリアを考えるうえでは、**「採用するための在留資格」だけでなく、「5年後、10年後にどのような働き方をしてもらうか」**まで考えることが大切です。

訪問介護でも働ける?

在留資格「介護」を持つ介護福祉士については、訪問介護などの訪問系サービスに従事することも可能です。

なお、外国人介護人材の訪問系サービスについては制度が変化しています。技能実習や特定技能の外国人についても、2025年から一定の条件を満たせば訪問系サービスへの従事が認められるようになりました。

外国人介護人材を採用する事業者は、「外国人だから訪問介護はできない」という過去の情報だけで判断せず、最新制度を確認することが重要です。

厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について」

私が大切だと考える「介護・医療・生活」の視点

私が事務長として10年勤務していた医療機関では、重度認知症デイケアも併設していました。また、サービス付き高齢者向け住宅の施設長を兼務していた時期も3年ほどあります。その経験から、介護は単なる身体介助ではなく、利用者の健康状態、認知症の有無や程度、服薬、家族との関係などを理解しながら行う仕事だと考えています。

外国人介護職員には介護技術だけでなく、日本語で利用者の小さな変化を読み取り、看護師や医師、施設長、ケアマネジャーなどへ適切に伝える力も求められます。

一方、外国人職員自身も日本で生活する一人の住民です。病気になれば医療機関を受診し、家族がいれば家族の生活もあります。

外国人患者受入れ医療コーディネーターとしての経験も生かしながら、私は**「在留資格・介護・医療・生活」を一つにつなげて考えること**が、外国人介護人材の定着には重要だと考えています。

まとめ

在留資格「介護」は、介護福祉士の国家資格を持つ外国人が、日本で介護または介護の指導を行うための在留資格です。

重要なのは、**「介護福祉士資格」「勤務先との契約」「仕事内容」「報酬」**です。

また、外国人介護人材には、在留資格「介護」だけでなく、特定技能、EPA、技能実習など複数の受入れルートがあります。

介護事業者は「外国人を採用できるか」だけでなく、資格取得や在留資格の変更を含め、長期的なキャリア形成まで考えることが人材定着につながります。

行政書士の現場でよくある相談

「特定技能で働いている外国人が介護福祉士に合格しました。そのまま特定技能で働くのでしょうか?」

介護福祉士の国家資格を取得した場合には、在留資格「介護」への変更を検討できます。

特定技能1号には原則として通算5年という在留期間の枠があります。一方、在留資格「介護」は、適切に更新を続けることで長期間日本で働くことが可能です。

資格取得を単なる「合格」で終わらせず、その後の在留資格とキャリアまで一緒に考えることが重要です。

企業担当者へのワンポイントアドバイス

介護事業者が外国人材を採用するときは、「今どの在留資格で働けるか」だけで判断しないことをおすすめします。

例えば特定技能で採用した外国人に、介護福祉士資格の取得を目指してもらい、将来的に在留資格「介護」へ移行するというキャリア形成も考えられます。

資格取得のための学習支援、日本語教育、職場でのコミュニケーション、生活・医療面への配慮まで含めて考えることで、「外国人を採用する」から**「介護の専門職として長く育てる」**という人材戦略に変わります。

在留資格の変更時期や必要書類などで分からないことがあれば、行政書士などの専門家へ早めに相談することをおすすめします。

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