20 在留資格の手続きを行政書士に依頼するメリットとは?外国人本人・企業の視点から解説

在留資格の申請は、外国人本人や受入企業が自分で行うこともできます。
では、なぜ行政書士に依頼するのでしょうか。
行政書士に依頼するメリットは、単に「申請書を書いてもらえる」ことだけではありません。自分の状況に合った在留資格を検討し、必要な資料を整理し、申請内容を分かりやすく組み立てられることに大きな意味があります。
外国人本人だけでなく、外国人を採用する企業にとっても、行政書士は在留資格に関する身近な専門家の一人です。
メリット① 自分に合った在留資格を確認できる
在留資格には、「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」「経営・管理」「家族滞在」「日本人の配偶者等」など、多くの種類があります。
大切なのは、「どの在留資格を取りたいか」ではなく、**「実際に日本で何をするのか、その活動にどの在留資格が合っているのか」**という視点です。
特に就労資格では、本人の学歴・職歴と仕事内容との関係、給与、会社の事業内容などを確認する必要があります。
行政書士へ早い段階で相談することで、申請してから問題に気づくのではなく、申請前に論点を整理できます。
メリット② 必要書類と「説明の仕方」を整理できる
在留資格申請では、申請書だけを提出すればよいとは限りません。
卒業証明書、職歴を証明する資料、雇用契約書、会社関係資料、身分関係を証明する書類など、申請内容によってさまざまな資料が必要になります。
さらに重要なのが、提出する書類同士の内容に矛盾がないことです。
例えば、雇用契約書では「通訳業務」となっているのに、別の資料では現場作業が中心と読める内容になっていれば、審査する側に疑問が生じます。
行政書士は、単に書類を集めるだけではなく、「この申請で何を説明する必要があるのか」という視点から資料全体を整理します。
メリット③ 外国人本人と企業の負担を減らせる
在留資格の申請には、制度の確認、書類収集、申請書作成など相応の時間がかかります。
特に外国人本人にとって、日本語で書かれた制度や必要書類を理解することは簡単ではありません。
また、企業の人事担当者も、通常業務を行いながら外国人一人ひとりの在留資格を調べるのは大きな負担です。
申請取次の届出を行っている行政書士へ依頼する場合には、一定の在留手続について、本人に代わって申請書類を提出することもできます。
メリット④ 「許可を取った後」まで考えられる
私は、ここが非常に重要だと考えています。
在留資格の許可はゴールではなく、日本で安心して暮らし、働くためのスタートだからです。
私は長年、医療機関で勤務し、外国人対応にも携わってきました。その経験から、外国人が日本で直面する問題は、在留資格だけではないと感じています。
住居、健康保険、医療、家族、勤務先との関係、行政手続など、生活上の問題は互いにつながっています。
行政書士として在留資格を支援し、外国人患者受入れ医療コーディネーターとして医療や生活にも目を向ける。私は、こうした**「在留資格+生活+医療」**という視点を大切にしています。
行政書士に依頼すれば必ず許可される?
ここは誤解してはいけません。
行政書士に依頼したからといって、在留資格が必ず許可されるわけではありません。最終的な判断を行うのは出入国在留管理当局です。
むしろ行政書士の役割は、「必ず許可されます」と約束することではなく、本人と企業から事実関係を聞き、要件を確認し、問題があれば申請前に説明することだと私は考えています。
場合によっては、「今の条件では難しい」「仕事内容をもう一度確認した方がよい」と伝えることも、専門家として大切な仕事です。
まとめ
在留資格の手続きを行政書士に依頼するメリットは、単なる書類作成の代行ではありません。
適切な在留資格を検討すること、必要書類を整理すること、申請内容を分かりやすく説明すること、そして本人・企業の負担を減らすことにあります。
特に外国人採用では、入社直前になって在留資格の問題に気づくと、本人にも企業にも大きな影響が生じます。
「申請するときに相談する」のではなく、就職・転職・採用・結婚・起業などを考え始めた段階で相談することが、トラブルを防ぐポイントです。
行政書士の現場でよくある相談
「自分でも申請できますか?行政書士に頼んだ方がよいですか?」
在留資格の申請は、必ず行政書士へ依頼しなければならないわけではありません。
比較的シンプルな更新などであれば、本人が申請できるケースもあります。
一方、初めて外国人を採用する、転職して仕事内容が変わった、学歴と仕事の関連性が分かりにくい、過去に不許可になったことがあるなど、判断が難しい事情がある場合には、早めに専門家へ相談するメリットが大きくなります。
企業担当者へのワンポイントアドバイス
外国人採用では、内定を出してから行政書士へ相談するのではなく、できれば採用を決める前に在留資格を確認してください。
「この人を採用したい」という段階で、
現在の在留資格・本人の学歴や職歴・予定する仕事内容
の3点を確認するだけでも、多くのトラブルを防ぐことができます。
行政書士を単なる「申請代行先」としてではなく、外国人採用の入口から相談できるパートナーとして活用することが、本人にとっても企業にとっても安心できる外国人雇用につながります。
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