18 在留カードの住所変更とは?引っ越した外国人が14日以内に行う手続きを行政書士が解説

日本で生活する外国人が引っ越しをした場合、会社や学校へ新しい住所を伝えるだけでは手続きは完了しません。
中長期在留者が住居地を変更した場合には、原則として新しい住居地に移った日から14日以内に、市区町村の窓口で住所変更の届出を行う必要があります。
この手続きを行うと、在留カードの裏面に新しい住所が記載されます。外国人本人はもちろん、外国人を雇用する企業や登録支援機関も、住所変更のルールを理解しておくことが大切です。
在留カードの住所変更はどこでする?
住所変更の手続きは、原則として地方出入国在留管理局ではなく、新しい住所を管轄する市区町村の窓口で行います。
転居届や転入届とあわせて在留カードを提示することで、住居地の届出も行ったものとして扱われます。
同じ市区町村内で引っ越した場合は「転居届」、別の市区町村へ引っ越した場合は、旧住所地で転出届を行ったうえで、新住所地で「転入届」を行うのが基本です。
マイナンバーカードを持っている場合には、カードの住所変更手続きも必要になります。
14日以内という期限に注意
住居地の変更届は、新しい住所に住み始めてから14日以内に行う必要があります。
「仕事が忙しい」「会社には住所を伝えた」「郵便物は転送される」といった理由で、市区町村への届出を後回しにしないようにしましょう。
住所の届出を適切に行わない場合には、罰則の対象となる可能性があるだけでなく、事情によっては在留資格取消制度との関係が問題になることもあります。
在留期間の更新や永住許可申請など、将来の在留手続を考えても、日頃から届出義務を適切に履行しておくことが重要です。
住所が変わると生活上の手続きも変わる
引っ越しに伴う手続きは、在留カードだけではありません。
健康保険、年金、マイナンバーカード、子どもの学校、児童手当、運転免許証、銀行、携帯電話など、さまざまな変更が必要になることがあります。
私は医療機関で長年勤務し、外国人の対応にも携わってきました。その経験から感じるのは、住所変更は単なる「カードの書き換え」ではなく、日本での生活基盤を新しい地域へ移す手続きだということです。
例えば、転居後の健康保険や行政手続きが適切に行われていなければ、医療機関を受診したときに確認に時間がかかったり、自治体からの健康診断や予防接種などの重要な案内が届かなかったりすることがあります。
外国人患者受入れ医療コーディネーターという視点からも、正しい住所登録は、医療や福祉へ確実につながるための重要な生活インフラだと考えています。
企業が住所変更を知った場合は
外国人従業員が会社へ住所変更を届け出ても、それだけで市区町村への届出が完了するわけではありません。
特に、日本に来たばかりの外国人の場合、「会社に住所を伝えたので役所にも自動的に伝わる」と誤解していることがあります。
企業側から「市役所で転居・転入手続きは済みましたか」と一言確認するだけでも、届出漏れを防ぐことができます。
特定技能外国人の場合など、生活支援を行う立場にある登録支援機関にとっても、転居手続きは重要な支援項目です。
まとめ
在留カードを持つ中長期在留者が引っ越した場合は、原則として新しい住居地に移った日から14日以内に、市区町村へ住居地変更の届出を行います。
大切なのは、会社への住所変更、市区町村への届出、在留カード・マイナンバーカードなどの変更を混同しないことです。
住所は、日本で生活するための行政サービス、医療、福祉、税、社会保険などにつながる基本情報です。引っ越しをしたら、必要な手続きを早めに確認しましょう。
行政書士の現場でよくある相談
「引っ越して会社には新しい住所を届けました。在留カードの手続きも終わっていますか?」
会社へ住所変更を届け出ただけでは、在留カードの住居地変更手続きは完了しません。
新しい住所を管轄する市区町村で、転居届または転入届などの手続きを行い、在留カードを提示する必要があります。
また、マイナンバーカードを持っている場合は、あわせて住所変更の手続きを確認しましょう。
企業担当者へのワンポイントアドバイス
外国人従業員から住所変更の届出を受けた場合は、「会社への住所変更」と「市区町村での住居地変更」は別の手続きであることを案内してください。
特に、転居日から14日以内という期限を伝えておくことが重要です。
外国人雇用では、在留資格や在留期限だけでなく、住所変更などの基本的な届出を適切に行えているかを支援することも、人材定着とコンプライアンスにつながります。
本人が手続きに迷っている場合は、登録支援機関や行政書士等の専門家へ早めに相談することをおすすめします。
⇩

