【号外その3】BRIDGEが熊本地震の外国人被災者へ無料電話通訳を提供―避難生活と医療をつなぐ情報支援の重要性

令和8年熊本地震でお亡くなりになった方々に心よりお悔やみを申しあげますとともに、被災された方々にお見舞いを申しあげます。

株式会社BRIDGE MULTILINGUAL SOLUTIONSは、2026年7月28日に発生した熊本県熊本地方を震源とする地震を受け、外国人被災者が無料で利用できる電話通訳サービスの提供を発表しました。詳細はこちらです ⇒ 令和8年7月28日発生の熊本県熊本地方を震源とする地震に伴う外国人被災者への無料電話通訳サービスについて | ニュース | 株式会社BRIDGE MULTILINGUAL SOLUTIONS

このサービスは、外国人被災者が役所や避難所で行政職員、支援関係者などと会話する際に、電話で双方の意思疎通を支援するものです。英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語を中心に、24時間、多言語で利用できると案内されています。

今回の支援は「医療機関の外」に重点がある

これまで紹介したメディフォンや東和エンジニアリングの支援は、医療機関や救護所などでの医療通訳が中心でした。

これに対し、BRIDGEの電話通訳は、行政対応の確認、交通機関の運行状況、被災地周辺の宿泊施設から外国人観光客への情報提供など、避難生活全体を対象としている点に特徴があります。

外国人患者受入れ医療コーディネーターとして私が注目するのは、医療へのアクセスは、診察室に入ってから始まるものではないという点です。

避難所の場所が分からない、交通機関が止まっている、どの病院が受診可能か分からないといった情報不足があれば、必要な医療そのものにたどり着けません。

生活情報の通訳が健康を守る

災害時には、持病の薬が切れた、透析や妊婦健診を継続したい、発熱やけががあるといった問題が起こります。

しかし、外国人被災者が行政窓口や避難所で自分の状況を伝えられなければ、医療機関への紹介、移動手段の確保、福祉サービスの案内などが遅れる可能性があります。

また、外国人観光客の場合、住民票や地域の人間関係がなく、土地勘もありません。ホテルが被災した場合には、代替宿泊先、交通、帰国手段、受診先などを同時に確認する必要があります。

つまり、行政・交通・宿泊に関する通訳は、医療とは別の支援ではなく、必要な医療へ到達するための重要な導線なのです。

「やさしい日本語」と多言語通訳を組み合わせる

電話通訳は非常に有効ですが、問い合わせが集中すれば、すぐにつながらないことも考えられます。

そのため、避難所や自治体では、電話通訳だけに頼らず、やさしい日本語、多言語表示、指さしシート、地図、ピクトグラムなどを組み合わせることが重要です。

例えば、「病院」「薬」「妊娠」「アレルギー」「透析」など、緊急性の高い情報を受付段階で把握できれば、通訳につながるまでの間にも優先順位を判断できます。

外国人患者対応では、流ちょうな外国語を話すことより、相手が理解できたかを確認しながら、必要な情報を整理する姿勢が大切です。

平時から地域の連携先を決めておく

災害時に電話番号だけを周知しても、誰が通訳を依頼し、どの情報を伝え、通訳後にどの機関へつなぐのかが決まっていなければ、支援が途中で止まってしまいます。

自治体、避難所、宿泊施設、医療機関、消防、企業、登録支援機関などが、平時から連絡先と役割を共有しておく必要があります。

私は行政書士、そして外国人患者受入れ医療コーディネーターとして、在留資格や生活手続きだけでなく、医療、行政、通訳、雇用をつなぐ地域のネットワークづくりが重要だと考えています。

今回のBRIDGEによる支援は、外国人被災者に必要なのは診療場面の通訳だけではなく、避難生活全体を支える情報保障であることを改めて示しています。

災害時に外国人を孤立させないためには、「情報が届くこと」「相談内容が伝わること」「必要な支援先へつながること」の三つを、地域全体で準備しておくことが必要です。

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